(公開シンポジウム)報告書『游 ASOBI』の第 8号をお届けします。

本報告書は、2024年度に開催された3つの公開シンポジウムとサロンの記録をまとめたものです。女子スポーツの可能性、学校部活動の今後、日本サッカーの原点に光を当てた意欲的な内容となっています。

第Ⅰ部「U-18女子フットサルを語ろう!」では、近年注目が高まる女子フットサルに焦点を当て、現場で活躍する指導者や関係者がその歩みと課題、未来の展望を語りました。武南高校女子フットサル部顧問・中村柾人氏、福井丸岡RUCKの田中悦博氏、WEリーグ理事・小林美由紀氏によるプレゼンテーションでは、育成環境の現状や女子選手のキャリア形成など、実践に即した知見が共有されました。参加者との意見交換も盛んに行われ、多様な視点が交錯する熱量の高いセッションとなりました。

第Ⅱ部「部活動で学んだことを語ろう」では、筑波大学附属高校蹴球部の歴史と、現在進行中の部活動改革を取り上げました。高橋正紀氏、朝倉雅史氏による現状分析と提言に加え、OBによるアンケートからは、部活動を通じて得られた学びや人間形成の過程が浮かび上がります。1987年から2024年に至る蹴球部の歩みも年表形式で収録されており、部活動の意義を再考する一助となるはずです。

第Ⅲ部「大戦前の日本サッカーと二つのルーツ校」では、東京高師とその附属中学という“サッカーの源流”に注目。大正~昭和初期の日本におけるサッカー普及の歴史が詳細に語られ、今日の日本サッカーの礎がどのように築かれたのかが明らかにされます。教育とスポーツがどのように関係してきたかを知る上で、貴重な史料を多く含んだ内容です。

本報告書は、スポーツ教育に携わる方々、地域や学校での育成に関心をもつ方々にとって、学びと発見にあふれた一冊です。未来に向けた議論と、過去の深い洞察が交差するこの記録を、ぜひご一読ください。

<目次ごとの資料>
表紙・目次
巻頭言
月例サロン 大戦前の日本サッカーと二つのルーツ校 -東京高師と東京高師附属中…
シンポジウム① U-18 女子フットサルを語ろう!
シンポジウム② 部活動で学んだことを語ろう -筑波大学附属高校蹴球部の近現代を中心に
資料編