広報誌『游 ASOBI』の第 5 号をお届けします。2021 年を節目の年ととらえ、この年にあったできごとや取り組みを紹介しています。
2021 年は、日本サッカー協会(JFA)創設から 100 年となる節目の年でした。日本のスポーツ界をリードする競技団体のあゆみを知ることで、現状と課題、今後の方向性や可能性が見えてきます。日本のサッカー
が学校を中心に展開してきたのは確かですが、地域クラブを育てる動きも間違いなくありました。97 歳を迎えた賀川浩さんの証言は貴重です。10 代のころに戦争で大会が中止になった経験は、コロナ禍でスポーツの機会が奪われる現状とも重なります。“続ける”ことの重要性を改めて感じました。
その JFA が「育成年代でのヘディング習得のためのガイドライン」を示したのは 2021 年 4 月でした。「禁止ではなく、正しく恐れ、より適切な方法で」“続ける”姿勢でまとめられています。このことを取り上げたシンポジウムをはじめ、スポーツにおける安全・安心に関するトピックを本誌で紹介しています。安全・安心、言い換えると“いのち”を大切にすることが、もっとも尊重されるべきです。
その意味で、今夏の東京オリンピック・パラリンピックの開催をめぐって語られてきたことは重要です。「これを次にどう繋げていくか、その前に大会をどう検証するか」が問われています。本誌で紹介したオリンピック教育や国際交流事業はレガシーの一つと言えるでしょう。これらの取り組みも“続ける”ことが大切です。
TOKYO 2020 が終わった 2021 年 9 月には、日本初の女子プロサッカーリーグ「WE リーグ」が始まりました。新たなプロスポーツの誕生というだけではありません。WE リーグチェアの岡島喜久子さんからは「ジェンダー平等、多様性社会の実現」といった理念が語られました。興行的には多くの課題があるでしょうが、“続ける”中で掲げられた理念が実現されることを願います。この意欲的な取り組みを、これからも見守っていきたいと思います。

2021年 全編(表紙・目次含む)
<目次ごとの資料>
巻頭言
Ⅰ.JFA100周年とこれからのサッカー環境
Ⅱ.TOKYO2020をめぐって-オリンピズムと国際交流
Ⅲ.日本初の女子プロサッカー「WEリーグ」
Ⅳ.安全で安心なスポーツのために
資料編・サロン2002の主な活動