【Salon#309】2022年7月19日 オンライン(Zoom)開催
2004年3月、「歯磨き感覚でスポーツは可能か?」をテーマに中塚義実と井関信雄によるトークが行われた。場所は当時東京都墨田区東向島にあったアートギャラリーの現代美術製作所だ。ギャラリーでは美術家ユニットKOSUGE1-16 によるアートプロジェクト「GUESS SPORTS ~楽しいスポ研~」が開催されていて、サロン2002のこの月例会は「GUESS SPORTS ~楽しいスポ研~」のイベントの一環としての位置付けでもあった。
グローバルなルールの中でのゲームを好まず、極めてローカルで個人的な行いであるスケートボードは、しかしその極めて小さく瞬間的な行いが世界中のスケーターの関心を引き付けるメイクにも転じる可能性を秘めていることが、スケートボードフォトグラファーとして既に一線で活躍していた井関氏の話から伝わってきた。
一方、世界共通のルールの中でゲームをし、常に上位レベルを狙う事もできるサッカー。中塚氏が筑波大学附属高校蹴球部監督として、またユース世代のサッカーリーグDUOリーグのチェアマンとして見てきた景色は、スポーツが本来持っている”遊び心”とは程遠いユース世代スポーツの慣習であった。中塚氏はこの課題を解決するために「リーグ」「クラブ」といった概念を定着させようと奮闘していた。
あれから18年、ストリートカルチャーの一つの”遊び”だったスケートボードはオリンピック競技となりメジャーな”スポーツ”へと変貌した。サッカーユースリーグは全国に普及したが”遊び心”を取り戻すために導入されたサッカーユースリーグは義務的/事務的なものへと変わってしまった。この間、スポーツを取り巻く”遊び心”の所在はどのように変化したのか。
KOSUGE1-16が台北で行っているアートプロジェクトと、その舞台となっている台北に新しくオープンした台北パフォーミングアーツセンターについても紹介した。また、昨年度開催した東京都現代美術館でのワークショップ「美術”じゃない”専門家との鑑賞会」についても触れた。このワークショップでは、美術じゃない専門家としてサロン2002理事長の中塚義実氏も講師として参加した。また、2002年~2003年頃に行っていたKOSUGE1-16と井関信雄、そしてcoda(DJ)とのアーティストコレクティブ「KosugeJCT.」の当時のプロジェクトも紹介した(この案内のメインビジュアルはKosugeJCT.による「那覇コース」(制作:2002年)というアートプロジェクトより)。いずれのプロジェクトも”遊び心”をベースとして組み立てていると土谷は云うが、その狙いや変遷についても触れた。

【日 時】2022年7月19日(火)19:30~21:30

【会 場】オンライン(Zoom)

【テーマ】歯磨き感覚でスポーツは可能か?(第2弾)~18年前の続きの話~

【演 者】土谷 享(KOSUGE1-16/NPOサロン2002理事)
     井関信雄(スケートボードフォトグラファー)
     ほか

【スケジュール】
     19:30〜19:40 趣旨説明・参加者紹介
     19:40〜20:30 <前半>プレゼンテーション
             ・土谷 享(KOSUGE1-16/NPOサロン2002理事)
             ・井関信雄(スケートボードフォトグラファー)
     20:30~21:30 <後半>ディスカッション

【報告書】https://www.salon2002.net/src/pdf/monthly_report/2022/2022-7.pdf

<関連リンク>
2004年3月9日 月例サロン報告「歯磨き感覚でスポーツは可能か?」
井関信雄
KOSUGE1-16
台北パフォーミングアーツセンター
東京都現代美術館「美術じゃない専門家との鑑賞会」